非課税となる土地等の貸付について

国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付、役務の提供には、
消費税が課されます。
しかし、土地の譲渡や貸付、居住用建物の貸付については、消費税が非課税となっています。

ただし、下記に該当する土地や居住用建物の貸付などについては、消費税が課税されます。
@土地の貸付で、貸付期間が1ヶ月未満のもの
 原則として、賃貸借契約による契約期間が1ヶ月未満か1ヶ月以上かで判定します。
A土地の貸付で、施設の利用を伴ったもの
 施設の利用が土地の使用と伴う場合には、土地部分と建物部分の総額について、消費税の
 課税対象となります。
 駐車場などの場合、土地の整備やフェンスなどで囲んだものは施設の利用として課税対象と
 なり、何も手を加えていない青空駐車場の利用は土地の貸付として非課税となります。
B居住用建物の貸付で、貸付期間が1ヶ月未満のもの
 土地の貸付と同様、原則として、賃貸借契約による契約期間が1ヶ月未満か1ヶ月以上かで
 判定します。

賃借側においては、上記の賃借について、課税仕入として消費税を控除することができます。
契約書などから、必ず契約期間などを確認しましょう。

スタッフO

消費税率の変更における経過措置について

既にご存知の方が多いと思いますが、消費税率が平成26年4月1日より上がります。
現行の消費税率5%(消費税率4%+地方消費税率1%)が、平成26年4月より 8%
(消費税率6.3%+地方消費税率1.7%)、平成27年10月より 10%(消費税率
7.8%+地方諸費税率2.2%)となります。

消費税は、原則として、物品を引き渡したときや役務提供を完了したときに納税義務が生じます。
(実際の納税は、課税期間ごとに行います)

ただし、経過措置として、平成26年4月以後に物品の引き渡しや役務提供の完了がある場合に
おいても、旧税率5%が適用される取引があります。
例えば、下記のような取引です。
@ 旅客運賃の指定券等や映画などの前売券等
  旅客運賃の指定券等や映画・演劇、美術館、遊園地などの入場券の前売券で、平成26年
  3月までに領収済みで、4月以後に使用されるもの

A 請負工事等
  平成25年9月30日以前に契約を締結した請負工事や請負契約で、平成26年4月以後に
  引き渡し等を行うもの

B 資産の貸付
  平成25年9月30日以前に契約を締結した資産の貸付で、平成26年3月までに貸付に
  関する資産を引き渡しを行うもの


上記のように、税率変更前後について会計処理を行う場合には、いつ契約をして、いつ資産を
引き渡し、いつ代金を受け取った(支払った)かについて注意が必要です。
しかも、2段階での消費税率の引き上げのため、かなり大変そうです。

スタッフO

税抜経理と税込経理について

消費税の経理方法について、税抜経理と税込経理を選択することができます。
ただし、原則として選択した経理方法をすべての取引に適用する必要があります。

また、免税事業者は、税込経理の方法を選択しなければなりません。


税抜経理は売上や経費に含まれている消費税額を別に把握する必要があり、会計処理を行う
うえでかなり煩雑となります。
しかし、その時点での消費税額を把握しやすくなります。また、中小企業の場合には、
法人税において、税抜経理の方が有利になります。
その理由としては、固定資産を購入した場合に一括で損金算入する場合の取得価額や
交際費の損金不算入となる金額は、税抜経理を選択している場合は税抜後の金額で、
税込経理を選択している場合には税込後の金額で判断することにより、消費税分だけ
差額が生じるためです。

一方、税込経理は税抜経理に比べて会計処理が容易となります。

会計ソフトが使用できる状況にある場合には、設定を税抜経理にしておけば、取引の入力を
税込で行ったとしても税抜に自動的に変更してくれます。
会計ソフトをお持ちの方は、税抜経理に変更してみてはいかがでしょうか。


スタッフO

クレジットカードの手数料

消費税の計算方法を原則課税で行っている事業者の場合、支払った経費が課税仕入れとなるか
どうかで納税額が違ってきます。

課税仕入れとならない支払いとして、クレジットカードの手数料があります。
カード会社から商品代金等の金額が入金されるときに、手数料を差し引かれます。
この手数料は事務手続きの対価として課税仕入れとなりそうですが、消費税法上では金利と
してみられ、課税仕入れとなりません。

クレジットカードを扱う機会の多い小売店などでは、年間のクレジットカード手数料も
多額となります。
課税仕入れとして処理をしていると、税務調査において否認され、高額の消費税額の納税と
なる場合もありますので、ご注意ください。

スタッフO

消費税に関する届出書について

消費税について、所轄税務署に提出する届出書には下記のものがあります。

@消費税課税事業者届出書
 届出が必要な場合・・・基準期間の課税売上高が1千万円超となったとき
 提出期限等   ・・・事由が生じたあと速やかに提出

A消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書
 届出が必要な場合・・・基準期間の課税売上高が1千万円以下となったとき
 提出期限等   ・・・事由が生じたあと速やかに提出

B消費税簡易課税制度選択届出書
 届出が必要な場合・・・簡易課税制度を選択しようとするとき
 提出期限等   ・・・選択しようとする課税期間の初日の前日まで
  ※ 調整対象固定資産の課税仕入れを行った場合には、期限内においても消費税簡易
   課税制度選択届出書を提出できないときがあります。

C消費税簡易課税制度選択不適用届出書
 届出が必要な場合・・・簡易課税制度の選択をやめようとするとき
 提出期限等   ・・・選択をやめようとする課税期間の初日の前日まで
            
            ただし、消費税簡易課税制度選択届出書の適用開始課税期間の
            初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、
            消費税簡易課税選択不適用届出書を提出できません。

D消費税課税事業者選択届出書
 届出が必要な場合・・・免税事業者が課税事業者になることを選択しようとするとき
 提出期限等   ・・・選択しようとする課税期間の初日の前日まで

E消費税課税事業者選択不適用届出
 届出が必要な場合・・・課税事業者を選択していた事業者が免税事業者に戻ろうとするとき
 提出期限等   ・・・選択をやめようとする課税期間の初日の前日まで

            ただし、消費税課税事業者選択届出書の適用開始課税期間の
            初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、
            消費税課税事業者選択不適用届出書を提出できません。

F消費税課税期間特例選択・変更届出書
 届出が必要な場合・・・課税期間の短縮を選択又は変更しようとするとき
 提出期限等   ・・・短縮又は変更に係る期間の初日の前日まで

G消費税課税期間特例選択・変更届出書
 届出が必要な場合・・・課税期間の短縮の適用をやめようとするとき
 提出期限等   ・・・選択をやめようとする課税期間の初日の前日まで

            ただし、消費税課税期間特例選択届出書の適用開始課税期間の
            初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、
            消費税課税期間特例選択・変更届出書を提出できません。

H消費税の新設法人に該当する旨の届出書
 届出が必要な場合・・・基準期間がない事業年度の開始の日における資本金の額又は
            出資の金額が1千万円以上であるとき
 提出期限等   ・・・事由が生じたあと速やかに提出
            (所要の事項を記載した法人設立届出書の提出があった場合は
             提出不要)


提出する書類を間違えたり、提出期限を遅れないようご注意ください。

スタッフO

税制改正 課税売上割合95%以上の仕入税額控除

平成23年度の税制改正において、課税売上割合95%以上の事業者のうち、その課税期間の
課税売上高が5億円超の場合には、改正前のように全額を仕入税額控除することができなく
なりました。
政府の厳しい財政状況下、仕入税額控除計算の煩雑さを考慮して認めていた全額控除について、
一定規模の事業者を対象に本来の計算方法を適用するよう厳格化して、税負担を求める
改正でした。
改正の適用期間や対象事業者などは次のようになります。

(1)適用期間
  平成24年4月1日以後に開始する課税期間

(2)全額控除ができなくなる対象事業者
  その課税期間の課税売上割が95%以上、かつ、課税売上高が5億円超※の事業者
   ※ その課税期間が1年に満たない場合の課税売上高は、その課税期間の課税売上高を
     その課税期間の月数で除し、これに12を乗じて計算(年換算)した金額です

(3)(2)に該当する事業者の仕入税額控除の計算方法
  改正前の課税売上割合95%未満の事業者と同様、下記のいずれかの方法により計算します。
  @個別対応方式
   課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、次の3つに区分し、下記に記載した
   算式により算出します。
    (イ)課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    (ロ)非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    (ハ)課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
   <算式>
    仕入税額控除額=(イ)+((ロ)×課税売上割合)

  A一括比例配分方式
   下記算式により算出します。
   <算式>
    仕入税額控除額=会税仕入等に係る消費税額×課税売上割合
     ※ 一括比例配分方式を選択した場合には、2年間継続して適用した後でなければ、
       個別対応方式に変更することはできません。


全額控除ができない事業者の方で個別対応方式により仕入税額控除を計算する場合には、
課税仕入れ等の支払いをしたときは、(3)@(イ)(ロ)(ハ)のいずれの売上に対応するかを
区分しておきましょう。


スタッフO

仕入税額控除のための帳簿の記載内容

消費税の課税事業者のうち、原則課税の方は支払った経費などに含まれている消費税について、
仕入税額控除を受けることができます。

ただし、仕入税額控除を受けるためには、課税仕入れ等の事実を記載した帳簿及び請求書等の
両方を保存しなければなりません。

(1)帳簿の記載事項
 @資産の譲渡等に関する事項
  (イ)資産の譲渡等の相手方の氏名又は名称
  (ロ)資産の譲渡等を行った年月日
  (ハ)資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
  (ニ)資産の譲渡等の対価の額(税込)

 A課税仕入れに関する事項
  (イ)課税仕入れの相手方の氏名又は名称
  (ロ)課税仕入れを行った年月日
  (ハ)課税仕入れに係る資産又は役務の内容
  (ニ)課税仕入れに係る支払対価の額

 B保税地域から引き取った課税貨物に関する事項
  (イ)課税貨物を保税地域から引き取った年月日
  (ロ)課税貨物の内容
  (ハ)課税貨物引き取りに係る消費税額及び地方消費税額

 ※ 不特定多数の者に資産の譲渡等を行う小売業や飲食店業などは、@の(イ)の氏名又は名称を
  省略できます。

 ※ 資産又は役務などの内容については、一般的な総称でまとめて記載できます。


(2)帳簿の保存
 (1)の事項を記載した帳簿は、帳簿閉鎖日の属する課税期間の末日から2ヶ月を経過した日
 から7年間、事業者の納税地又はその事業に係る事務所等に保存しなければなりません。


消費税額の仕入税額控除が否認されないよう、帳簿の記載と保存に注意して下さい。

スタッフO

簡易課税制度

簡易課税制度は、課税売上の一定割合を課税仕入れとみなして控除額を計算する制度です。
みなし仕入率は、事業の種類を第1種から第5種に区分し、事業の種類によって率が異なります。
事業区分は
〈第1種事業〉 卸売業
〈第2種事業〉 小売業
〈第3種事業〉 農業・林業・漁業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・熱供給業および水道業
〈第4種事業〉 上記第1種〜3種事業および第5種事業以外の事業
〈第5種事業〉 不動産業・運輸通信業およびサービス業(飲食店業を除く)
みなし仕入率は
〈第1種事業〉 90%
〈第2種事業〉 80%
〈第3種事業〉 70%
〈第4種事業〉 60%
〈第5種事業〉 50%

●卸売業
 卸売業は、他から購入した商品を性質および形状を変更しないで他の事業者に販売する事業です。購入したものを材料として製品をつくる製造業者などに販売したり、仕入れた商品をそのまま(加工しないで)消費者に販売する小売業者が卸売業に該当します。

●小売業
 小売業は、他から購入した商品を性質および計上を変更しないでそのままを販売する事業者。卸売業に該当しない事業者をいいます。消費者に仕入れた商品を販売する事業者が該当します。

●製造業
 おおむね、日本標準産業分類を基準として分類されています。
 製造した商品を直接消費者に販売する、いわゆる製造小売業は、製造業に含まれます。パンや菓子の製造小売業などが該当します。
 原材料を購入して、あらかじめ指示した条件に従って下請け業者に商品を製造させる製造問屋は、製造業に含まれます。建設会社で、請け負った工事のすべてを下請けに施工させる元請業者は建設業になります。

●その他の事業
 第1種から第3種まで、および第5種事業に該当しない事業がすべて第4種事業に該当します。
 飲食店業、金融業、保険業が該当します。
 原材料の支給を受けて加工や組み立てを行う業者も第4種事業です。事業用に使用していた固定資産等の譲渡も第4種事業になります。

●不動産業
 不動産代理、仲介業、不動産賃貸業、不動産管理業が、第5種事業になります。

●運輸・通信業
 倉庫業、旅客運送業、貨物運送業が第5種事業に該当します。

●サービス業
 おおむね、日本標準産業分類を基準に分類されています。
 日本標準産業分類の大分類に掲げる
  飲食店・宿泊業(飲食店に該当するものを除く)
  医療・福祉
  教育・学習支援業
  複合サービス事業(協同組合、郵便局)
  サービス業(ほかに分類されないもの)
  専門サービス業、洗濯・理容・美容業、娯楽業、廃棄物処理業、自動車整備業、物品賃貸業などもサービス業に含まれます。これらも第5種になります。

スタッフ:I





消費税がかからない取引

<土地の譲渡や貸付>
土地の譲渡及び貸付は非課税とされています。
土地の譲渡等が非課税とされたのは、土地の譲渡等は消費ではなく単なる資産の移転であるためです。
土地の範囲は、
@地上権、賃借権、地役権、永小作権など
A宅地と一体として譲渡された庭木、石垣、庭園など
土地に含まれないもの
@鉱業権、土石採取権、温泉利用権など
A土地と一体として譲渡された建物、建物付属設備など

駐車場、野球場、テニスコートなどの施設利用は、土地の使用を伴うが、非課税ではありません。
ただし青空駐車場のように、車の管理など行わない場合で、地面の整備、フェンス、区画、建物の設置をしない場合は、非課税の土地の貸付に該当します。

建物などの貸付に伴なって土地を使用させる場合は、その使用料を地代と家賃と区分しても、その合計金額が家賃となりますので、非課税にはなりません。
ただし、その建物が住宅の場合には、非課税となります。

<有価証券の譲渡>
有価証券および有価証券に類するものの譲渡は非課税です。
ただし、ゴルフ場など施設を利用する権利に係る会員権などは、非課税にはなりません。
有価証券の範囲
@国債証券、地方債証券、社債券ねど
A投資信託、貸付信託の受益証券
B株券または、新株引受権証券
Cその他
有価証券に類するもの
@合名会社、合資会社などの社員の持ち分
A抵当証券
B貸付金、預金、売掛金、その他の金銭債権など

コインなどの譲渡について
支払手段の譲渡は、非課税です。
ただし、収集品や販売用の支払手段(コインなど)は、課税の対象です。
支払手段の範囲
@銀行券、政府紙幣、少額紙幣、硬貨
A小切手
B為替手形、約束手形
Cその他

他にも消費税がかからない取引はありますが、それはまた次の機会にします。




〈切手や印紙などには消費税がかかりません〉

郵便切手類や印紙の譲渡は、非課税となります。
また、地方公共団体等が行う証紙の譲渡も非課税です。

郵便切手類
@郵便切手
A官製はがき
B郵便書簡
C現金封筒
D小包郵便物包装物
Eその他

本来は、会社が切手を購入した際には、仕入税額控除の対象となる課税仕入れには該当せず、切手を使用した時に郵便のサービスの提供を受けたことになるため、このときに課税仕入れに該当します。
しかし、実務上は継続して切手購入時の課税仕入れとしているときは、この処理が認められています。


〈国などの行政手数料には消費税はかからない〉

国・地方公共団体・公証人等が行う一定のサービスの提供は、非課税です。
登記・登録の手数料、公文書の交付や閲覧、旅券の発給、異議申し立て、審査請求などがあります。

〈商品券やプリペイドカードは消費税がかからない〉

商品券やプリぺイドカードなどの譲渡は非課税です。
商品券やプリペイドカードなどで、具体的に物品等を購入などしたときは、消費税が課税されます。


〈受取利息には消費税がかからない〉

金銭の貸借に伴う利子、保険サービスの対価である保険料などの金融取引は、非課税となります。

利子を対価とする金銭の貸付けなどの範囲は
@金銭の貸借に伴う利子
A預貯金の利子
B国債などの利子
C割引債などの利子
D定期積金などの給付補てん金
E抵当証券の利息
F合同運用信託や証券投資信託の収益分配金
G合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬
H手形の割引料
I信用保証料
J保険料(共済掛金)
Kいわゆるファイナンスリースのリース料のうち利子相当額
 (ファイナンスリースのリース料の中には、リース会社が負担する金利や保険料相当額が含まれているので、リースに関する契約において、金利や保険料相当額は明示されている場合は、その部分は非課税となります。)
L金銭債権の譲受け(ファクタリング)
M割賦販売手数料
N有価証券の貸付に伴う賃借料
Oその他


スタッフ:I




消費税を納めるのは誰でしょうか?

国内取引の税金を納めるのは、誰でしょうか?

国内取引については、消費税の課税対象となる資産の譲渡、貸付、サービスの提供などを行った事業者(法人、個人事業者)が納税義務者となります。
国、地方公共団体、公共法人、公益法人なども原則として納税義務者となります。人格のない社団等も法人とみなし納税義務者となります。
外国法人、非居住者も、国内において資産の譲渡、貸付、サービスの提供などを行う場合には、消費税の納税義務者となります。
共同事業の場合は、各構成員がその共同事業の持分の割合等に応じて、納税義務者となります。

しかし、一定の規模以下の小規模事業者については、納税義務を免除することになっています。



輸入取引の税金を納めるのは、誰でしょうか?

輸入取引については、外国貨物を保税地域から引き取るものが納税義務者となります。
この場合、事業者だけでなく、個人でも納税義務者となります。


消費税を納めなくてもいいのは誰でしょうか?

免税事業者って?
一定規模以下の小規模事業者については、納税義務が免除されます。納税義務が免除される小規模事業者を『免税事業者』といいます。
免税事業者は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下でなければなりません。
基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることになった場合には、「消費税課税事業者届出書」を税務署に提出する必要があります。

基準期間って?
<個人事業者の場合>
その年の前々年になります。

<法人の場合>
・その事業年度の前々事業年度が1年の法人の場合は、その事業年度の前々事業年度(つまり2期前の事業年度)になります。
・その事業年度の前々事業年度が1年未満の法人の場合は、その事業年度開始日の2年前の日の前日から1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間になります。

スタッフ:I

消費税は何に対してかかるのか?

課税売上高って?

例えば、「メーカー」が製造した商品を「卸売業者」・「小売業者」を経由して最終的に「消費者」に渡る場合、商品がメーカーから卸業者に、製造業者から小売業者に、小売業者から消費者に販売されるときにそれぞれ消費税が課税されます。
つまり、資産(商品や建物など)が譲渡(販売など)されたときは、消費税が課税されます。
それでは、消費税が課税されるのは、『資産が譲渡されたとき』だけなのでしょうか?資産の譲渡のほかに『資産の貸付』『サービスの提供』などが行われたときも、消費税が課税されます。
例えば、A社所有の建物の一部をB社に事務所として賃貸した場合は、これは、資産の貸付になりますから、A社はB社から賃貸料(家賃)を受け取ります。この時にA社は、消費税を預かることになります。
また、別の例として、C社がDさんから依頼されて荷物を運んだ場合、これは運送というサービスの提供になります。ですから、C社はDさんから運送料を受け取ることになり、この際に消費税を預かることになります。
よって、@資産の譲渡、A資産の貸付、Bサービスの提供に対して課税されるということです。

しかし、このような3つの取引であっても消費税がかからないものがあり、「非課税取引」といいます。
非課税取引は、
@消費税の性格から考えて消費税を課税することがなじまないもの、A社会政策的な配慮から非課税としているものが、あります。

代表例として、
@土地の譲渡や貸付、A有価証券の譲渡、B貸付金の受取利子、C医療(社会保険医療)、D社会福祉事業、E助産、埋葬料、火葬料などがあります。

課税売上高に戻りますが、要するに
『消費税の課税対象とされる「資産の譲渡」「資産の貸付」「サービスの提供」などのことを課税売上』といいます。


基準期間とは

基準期間とは、通常の1年決算の会社を例にしますと、『前々期』になります。
2期前の課税売上高が、1,000万以下の小規模事業者は、免税事業者となり当期は消費税を納付しなくてよいということになります。

スタッフ:I


消費税法改正 事業者免税点制度

平成23年度において、消費税法の改正がいくつかありました。
その中で、事業者免税点制度の適用要件の改正について記載します。

改正前について、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える期間は、課税事業者として
消費税の納税義務があります。
(詳しい話は、当事務所HPの以前の記事をご参照ください)

改正後については、上記の要件に加えて、特定期間の課税売上高が1,000万円を超える期間に
ついても、課税事業者として消費税の納税義務があります。
ただし、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていても、給与・賞与支払額が1,000万円を
超えていなければ、消費税の納税義務を免除されます。

この改正は、平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度から適用されます。


特定期間とは、今回の改正で規定された期間で、下記の期間をいいます。
 個人事業者の場合・・その年の前年の1月1日から6月30日までの期間
 法人の場合・・・・・原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間


上記の話を簡単にまとめますと、その期間に納税義務があるかどうかは、2期前の
課税売上高が1,000万円を超えるかどうか、と1期前の上期の課税売上高・給与等支払額が
1,000万円を超えるかどうかにより判定します。

消費税簡易課税制度選択届出書の提出期限は簡易課税を選択しようとする課税期間の初日の
前日までですので、その前に課税事業者に該当するかどうかの判定を行う必要があります。
日々の帳簿の記帳等を溜めないよう注意しましょう。

スタッフO

免税事業者とは

≪免税事業者≫
納税義務が免除される小規模事業者を『免税事業者』といいます。
一定規模以下の小規模事業者については、納税義務が免除されます。

免税事業者となるためには、「その課税期間の基準期間における課税売上が1,000万円以下」でなければなりません。
基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合は、課税事業者となります。
その際には、税務署に「消費税課税事業者届出書」を速やかに提出してください。

≪基準期間≫
通常の1年決算の会社を例とします。
基準期間とは、『前々期』のことです。

つまり、2期前の課税売上高が1,000万円以下の小規模事業者は、免税事業者になります。

スタッフ:I


消費税の総額表示

平成16年4月1日以降は、事業者が一般の消費者(取引の相手)に対し、商品の販売、サービスの提供を行う場合には、表示価格に消費税を含めた金額を提示することが義務付けられています。

事業者によって表示方法はちがいますが、消費税を含む支払の金額が表示されていれば問題ありません。

<表示の例>
 10,500円
 10,500円(税込)
 10,500円(本体価格10,000円)
 10,500円(内消費税500円)
 10,500円(本体価格10,000円、消費税等500円)など

総額表示の対象となる価格表示は、商品につけたり、添付する値札等による表示、チラシや広告、店頭での表示(値札、ポスター、ポップ等)などです。

消費者に対して行う価格の表示は、どのような方法(媒体)で行われるかを問わず、総額表示の対象になります。

スタッフ:I


 

仕入控除税額について

消費税額を算出する場合において、課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に
係る消費税額(以下「仕入控除税額」といいます。)の計算方法は、その課税期間中の
課税売上割合が95%以上であるか95%未満であるかにより異なります。
(免税事業者及び簡易課税制度を選択している事業者を除きます)

(1) 課税売上割合が95%以上の場合
  課税期間中の課税売上げに係る消費税額から、その課税期間中の課税仕入れ等に
  係る消費税額の全額を控除します。

(2) 課税売上割合が95%未満の場合
  課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除するのではなく、課税売上げに対応する
  部分のみを控除します。

(2)の場合において、仕入控除税額は、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかに
より計算します。
 @ 個別対応方式
   課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、
    (イ) 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    (ロ) 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの
    (ハ) 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの
   に区分し、次の算式により計算した仕入控除税額をその課税期間中の課税売上げに
   係る消費税額から控除します。

   (算式)
     仕入控除税額=(イ)+( (ハ)×課税売上割合)
   この方式は上記の区分がされている場合に限り、採用することができます。

 A 一括比例配分方式
   その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額が、@の個別対応方式の(イ)、(ロ)
   及び(ハ)のように区分されていない場合 又は 区分されていてもこの方式を
   選択する場合に適用します。
   その課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除する仕入控除税額は、
   次の算式によって計算した金額になります。

   (算式)
     仕入控除税額=課税仕入れ等に係る消費税額×課税売上割合

   ※ なお、この一括比例配分方式を選択した場合には、2年間以上継続して
     適用した後でなければ、個別対応方式に変更することはできません。


(1)の場合の計算では、支払った金額が課税仕入れ等に該当するかどうかを分ける必要が
あります。
(2)の場合の計算において、個別対応方式という計算方法を選択した場合には、
課税仕入れ等に該当するかどうかを分ける以外に、@の(イ)、(ロ)、(ハ)のどの区分に
対応する課税仕入れ等なのかも分ける必要があります。

課税売上割合が95%未満になる可能性がある場合には、課税仕入れ等の会計処理時において、
@の(イ)、(ロ)、(ハ)の区分を行っておきましょう。

郵便切手の課税仕入れの時期など

原則課税の方法により消費税額を計算する事業者は、仕入れ等に含まれる消費税額を売上等に含まれる消費税額から控除できます。その差額を納税するか、還付されます。

消費税を控除できる仕入れ等取引をを課税仕入れと言います。
課税仕入れに該当しない取引は、土地の購入や給与・社会保険料の支払いなどです。基本的には、取引相手先で課税売上げとならない、課税対象外売上や非課税売上の取引です。

郵便切手を購入した場合、原則として、購入時には課税仕入れとならず、使用したときに課税仕入れとなります。しかし、事務的な負担を考慮して、購入した事業者が継続して、購入時に課税仕入れとする処理を行っている場合には、購入時に課税仕入れとすることが認められています。
郵便局などで購入した切手のレシートを見ると、購入時は消費税が含まれていないことが分かると思います。

収入印紙などは、使用しても課税仕入れに該当しません。ただし、郵便局ではなく、金券ショップなどで購入した収入印紙は課税仕入れに該当します。多少割引で購入できる上に、消費税もお得になります。

消費税の課税売上高とは?

以前、消費税の納税義務者について記載したときに出てきた、
課税売上高について説明します。

消費税法上の規定上、消費税の課税対象は、下記のように
記されています。
「国内において、事業者が事業として対価を得て行う
資産の譲渡等には、消費税を課する。」

上記の「資産の譲渡等」のうち、消費税が課税される
「資産の譲渡等」の金額を課税売上高と言います。

一般的な商品や製品の販売だけでなく、事業で使用する
車両などの固定資産の売却取引も、課税売上高に含まれます。


「資産の譲渡等」は、下記の三つの取引に分けられます。
消費税が免税となる非課税取引と輸出免税取引、それ以外の
消費税が課税される取引です。

国内の事業者が行う国外への輸出売上について、
消費税が免除されますが、消費税法上、0%の消費税率が
課税されていると考えます。
(国内で仕入れた輸出商品等について、輸出売上時には消費税を
 受け取っていないが、仕入時には消費税を払っています。
 その仕入時に支払った消費税について、事業者が還付を
 受けられるようにするため)


納税義務者の判定において、課税期間中の通常の売上高が
1千万円以下だったとしても、固定資産の売却や輸出売上がある
場合には、課税売上高が1千万円を超えており、消費税の
納税義務者となっている可能性がありますので、ご注意下さい。

簡易課税について

消費税の申告納税をする場合の方法として、原則課税と簡易課税
という方法があります。

原則課税は、課税期間内の売上等の金額に含まれている消費税額
から、仕入などの経費に含まれている消費税額を控除した残額を
納税する方法です。

簡易課税は、課税期間内の売上等の金額に含まれている消費税額
から、その消費税額に一定の率を乗じた金額を控除した残額を
納税する方法です。

簡易課税を選択できる要件は、基準期間の課税売上高が
5千万円以下であることです。

ただし、消費税簡易課税制度選択届出書を適用しようとする
課税期間の開始の日の前日までに提出が必要となります。
また、一度、簡易課税制度を選択すると2年間は本則課税に
戻ることはできません。

簡易課税のメリットとしては、次になります。
@経費のほとんどが消費税が課税されない給与などの場合
 には、原則課税より納税額が少なくなる。
A原則課税に比べて計算が簡便となる

簡易課税のデメリットは、次となります。
@大規模な投資(建物や機械設備の購入)などをした場合に、
 支払った消費税額を控除できない。
 (原則課税ならば消費税額の還付を受けられる場合でも、
  簡易課税の場合は納税額が発生する。)

簡易課税の選択は、翌年・翌々年を見越した上での検討が
必要です。


最後に、消費税簡易課税制度選択届出書を提出した後に、
課税売上高が5千万円を超えた場合には、その翌々年の課税期間は
原則課税となります。

逆に、上記により原則課税となっていた納税義務者の課税売上高
が5千万円以下となった場合には、その翌々年の課税期間は
簡易課税を選択した状態となっています。
(消費税簡易課税制度選択不適用届出書を提出していない
 ことが前提です。)

消費税の納税義務

消費税は、国内において、事業者が事業として対価を得て行う
取引について課税されます。

しかし、上記に該当する事業者でも消費税が免除される
場合があります。

その課税期間の基準期間の「課税売上高」が1千万円以下の
ときには、消費税の納税義務が免除されます。
(「課税売上高」についての説明は、後日、記載しようと
 思います。)

では、基準期間とはどの期間かといいますと、その課税期間の
前々課税期間となります。
 法人の場合・・・前々期の事業年度
 個人事業者の場合・・・前々年の1月1日から12月31日までの期間

法人で、前々期の事業年度が1年に満たない場合には、
課税売上高の計算上、期間が12ヶ月あったとして、
課税売上高を計算します。
(ただし、その法人の各事業年度自体が1年未満の場合には、
 別の方法で課税売上高を計算します。)


また、会社設立や個人事業を始めた場合には、基準期間が
ないため、原則として第1期、第2期の消費税は免除となります。

ただし、法人の場合は、設立時や第2期事業年度の開始時の
資本金の額が1千万円以上の場合には、第1期や第2期が
消費税の免税事業者になりませんので、会社設立の前に
資本金の額をいくらにするかは検討が必要です。