法人税の所得金額は、その事業年度の益金の額-その事業年度の損金の額で求めます。
その事業年度の損金の額について、どの事業年度の損金になるかに注意が必要です。
今回は販売費・一般管理費等(販売費等)の損金算入時期について記載します。
その事業年度の損金の額に算入される販売費等(償却費を除く)は、原則として、
その事業年度終了日までに債務が確定しているもので、下記の全てに該当する
ものです。
@ その事業年度終了日までにその費用に係る債務が確定していること
A その事業年度終了日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる
事実が発生していること
B その事業年度終了日までにその金額を合理的に算定することができること
ただし、下記のような特例もあります。
(1)短期前払費用
前払費用の額は、原則としては、役務の提供等を受けるまで損金の額に算入されません。
しかし、前払費用の額のうち、支払った日から1年以内に役務提供を受けるもので、
支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に
算入しているときは、その損金算入が認められます。
※ 前払費用とは、一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した
費用のうち、その事業年度終了時においてまだ提供を受けていない役務に対応する
ものをいいます。
(2)消耗品費等
消耗品その他これにこれに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、原則として、
その棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入します。
事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他
これらに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額を継続してその取得日の属する
事業年度の損金の額に算入しているときは、その損金算入が認められます。
ただし、各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費する
棚卸資産に限ります。
1年以内の期間に対応する保険料などを年払いした場合には、その支出日の属する
事業年度の損金の額に算入できます。
しかし、事業年度ごとに年払いと月払いに変更したような場合には、利益操作と
みなされて、損金算入の時期を否認される可能性がありますので、ご注意ください。
スタッフO
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