【会社の機関と社員】

会社は、当然ながらそれ自体は生き物ではないため、自ら意思決定を行うことも具体的な行動を行うこともできません。そこで会社の意思を決定したり、意思決定内容に基づいて実際に行動したりするものとして人により構成される「会社の機関」というものが定められています。会社はこの「機関」を通じてその意思を決定したり行動したりすることになります。
例えば株式会社の場合には、株主総会や取締役会、代表取締役などの「機関」が設けられており、株主総会や取締役会において会社としての重要な意思決定を行ったり、代表取締役によって実際の会社としての行動(例えば、契約など)が行われます。
当然、株主総会や取締役会の構成員は人ですし、代表取締役にも人が就任します。しかしこれらの人が会社の「機関」として活動したものについては、法律上会社の行為となります。
例えば、代表取締役に就任している人が代表取締役としてある物件の購入契約を他者と締結する場合、実際に契約交渉を行い契約書に押印するのは代表取締役である人であっても、その法律効果(物件の所有権を得ること)は会社に帰属します。
このように会社は、「機関」を通じてしか活動をすることができません。

また、会社には上記のような会社が活動するために必要な「機関」とは別に、会社そのものの構成員である「社員」という地位が存在します。
「機関」は会社が実際に活動するためのものであるのに対して、「社員」は会社の所有者的な地位にあるもので、株式会社においては株主となります。
「社員」は会社の所有者としての地位に基づいて、会社に対して例えば利益配当請求権、残余財産分配権などの権利を有するとともに議決権を通じて会社の経営に関与する権利も持っています。